人文社会科学の行く末とは?

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起業家支援や研究費助成などにおいて、自然科学系や技術系の話が優勢されるように感じる。成果が明確に出やすいからだろうか。科学技術を発展させていく上で支援事業は必要であるが、どうにも科学技術に偏っているではないか。

自然科学や技術系と違い、人文・社会科学において新発見は容易に生まれない。長い時間をかけて新たな領域へと進む。即効性や効率性が求められる現代において、良くも悪くも歩みの遅い人文・社会科学の立ち位置が揺らいでいるのではと感じる。人間の営みを対象とする人文・社会科学は重要な筈にも関わらず。人文・社会科学は理論に偏り、実践が難しいために、このような状況に陥ってしまうと考えた。

自分の所属する公共政策大学院は専門職大学院であり、実務家養成を目的にした「実践」を重視する大学院、とされているが、理論系の講義がメインとなっているのが実情だ。北海道という最高のフィールドに所在するにも関わらず、札幌に閉じこもり、ただただ机に向かう日々が続いている。コロナ禍というのもあるが…

札幌市は北海道の中でも特殊だ。道内人口の4割程度の200万人が集中している。道内でも有数の都市とされる、函館(26.6万人)や旭川(34万人)と比べても、その差は歴然だ。北海道の政策を考える上で、札幌目線に偏った考え方は極めて危険であり、的を外すリスクがある。つまり重要なのは、北海道を知ることであり、机に向かって札幌で理論を勉強することではない。現場を見て、北海道をきちんと知ることが、公共政策大学院生、さらには北大生に必要な視点である。

要は理論だけでなく、現場を知り、実践経験を積むことが重要ということを言いたい。個人的な野望として、人文・社会科学を学ぶ学生を対象とし、実戦の機会を提供することが目的に、北大生を道内の市町村に点在させ、各エリアにキャンパスを作る「北大生全道派遣計画」である。生の地域課題に触れ続け、常に実践を行う。理論はオンライン講義で補い、ひたすら実践を行う。このような取り組みが北大生にとって、さらには北海道にとって役立つのではないかと考える。

人文・社会科学を学ぶ学生がどのように実践を積んでもらうのか。ここが今後の大きな論点のように思える。自然科学や技術系の分野では、科学技術コミュニケーションなどの取り組みがあり、社会との関係性が少しずつではあるが向上している。人文・社会科学の領域においても、どのような取り組みを行なっているのかを知ってもらう活動、取り組みが重要になってくるはずだ。

チャレンジコミュニティのアカデミア版の設立が今後求められるように思う。地域のニーズと専門家を結びつける。特に地方では求められるのではないだろうか。地域の企業と大学が簡単に結びつくような環境作りを考えてみたい。

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