夢の中での再会

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自分の就職活動が終わった5月某日。

家族や友達に結果を報告し、ウキウキな状態で札幌に戻ってきた自分。

大学院の友人たちとご飯を食べている最中に、父親からの突然のLINE電話。

父親から電話が来ることはあまりないので、何か起きたかと心配になったものの、友達と一緒にいたので、一旦電話には応じずにご飯が終わってからかけ直すことにした。

友人たちと別れ、父親に折り返し電話をすると、少し慌ただしい様子の父親の声が聞こえた。

「爺様が亡くなった」

数年前から施設に入り、少しボケてしまっていたけど身体は元気だった、父方の祖父がついに旅立ってしまった。最後に会ったのは中学生か高校生の時…というくらいに、最近会えていなかったわけだが、親族が亡くなったという現実を突きつけられて、涙を禁じ得なかった。

通夜と葬式が数日後に開催される旨を聞き、自分は現場へ行くことを所望したが、その週末に公務員試験を控えていたために(この時点で公務員になる気はほとんどなかったが、途中で試験を投げ出すのも嫌だったので元々受けるつもりだった)、両親から現地へ来ることを咎められた。

色々と込み上げてくる思いがありながらも、まずは自分第一と考えて、通夜と葬式への参加は見送り、四十九日に現地を訪れることにした。

LINEで送られてくる祖父の最期の姿を見て、再度涙が込み上げてきた。

自分はまだまだ若い(そう思い込んでるだけかもしれないが)。

そうするとなかなか身近な人との永遠の別れに立ち会う機会は少ない。ゆえに「死」というものがどこか遠い存在になってしまう。

だがこうして親族が亡くなることで、思い知らされる。人間は所詮動物であり、いずれ死ぬということを。

とにかくその時は自分のやるべきことに注力し、心の中で祖父の冥福を祈り続けたのである。

時が流れ、7月初旬。

あっという間に四十九日を迎え、ようやく祖父の家に向かうことができた。

1泊2日の弾丸スケジュール。札幌からこのスケジュールで行くのは、やめておいた方がいいくらい遠い場所にあるが、若さを武器に長旅を楽しんだ。

空港に到着すると、自分より先に現地入りしていた両親、叔父、祖母が出迎えてくれた。

すぐにお寺へと向かい、法事を済ませた。

ようやく祖父との別れができたように思う。心は少し晴れやかになった。

約10年ぶりに訪れる家は不思議なことに、時間の経過を感じさせなかった。ついこの間、この場所に来たかのように。

夜に父親や叔父と話をしている中で、自分の進路に関する話になった。

自分の内定が決まった日の翌日に祖父が旅立ったことなどを話していると、自分の進む業界と祖父が勤めていた業界が同じであることを叔父が指摘した。

なるほど。言われてみれば同じだ。もしかすると、ずっと自分の後ろに祖父がいて、最後の力で自分を導いてくれたのかもしれない。普段スピリチュアルなことはあまり信用しないタチだが、この件ばかりはそう思わざるを得なかった。

そんな偶然に驚かされながら、その日は就寝した。

するとどうしたことだろうか。
今までほとんど出演機会のなかった祖父が自分の夢に出てきたのである。

内容ははっきり言って最悪。祖父が笑いながら駐車場で他の車にぶつけまくるというサイコパス感モリモリの危険な夢であった。結局駐車場の車全てにぶつけたのではないだろうか。

そんな最悪の再会だったわけだが、祖父に出会えたことに変わりはない。直接的な会話をしたかどうかは定かではないが、旅立ってしまってからすぐに会いに来れなかったことを詫びて、進路の報告ができたように思う。

祖父から孫へ。

世代のバトンリレーが夢の中でようやく完結したのかもしれない。

祖父に背中を押してもらえたように思う。

「頑張ってこい」「またいずれ会おう」と。

あなたの遺志は私がしっかりと受け取りました。

これから先の私の活躍を草葉の影からどうか見守っていてください。

いずれまた会いましょう。

少し寂しくも嬉しくもなった7月某日の出来事でした。

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