北海道の「道」計画の整理(大学院所感⑨)

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早いもので大学院に入学してから3ヶ月が経過した。コロナによる緊急事態宣言発令により、大学での行動制限など様々なトラブルに見舞われた3ヶ月であったが、当初描いていた大学院生活よりも、素晴らしい時間になっていることは間違いない。よかったよかった。

今回は北海道の「道」計画の整理ということで、今後の研究方針について少しまとめていく。

これまでに現地調査を7回行い、自分の対象がどのようなものであるのかを少しずつ肌で感じている。特に6月後半に行ったvol.6′(オホーツク、道東編)では、網走監獄や北見市の鎖塚を訪れ、改めて北海道開拓期の歴史の闇深さを実感した。

当初は映像化して終わらせる予定であった。「忘れられた歴史を多くの人に想起してもらう」をコンセプトに映像の構成を考えるべく、実地調査や文献調査を重ねてきた。しかし6月中旬に思わぬ方向へと進むことになる。HOMEのページにも書いたように、8月に行われる日韓次世代学術フォーラムへの参加が決まった。分科会(歴史)にて、北海道の「道」計画について報告する予定だ。せっかく研究発表を行うのであれば、この内容でリサーチペーパーを書いた方が良いのではないか。なんてことを思うようになった。

ここで一つ大きな問題が生ずる。従来の映像化だけであれば、歴史書や先行研究から要素をピックアップして繋げれば、概ね映像としての要件は満たす(面白くなるかは別として)。しかし研究となるとある程度の新規性、独自性が要求される。むむむ。どうしようか。というのが現状の北海道の「道」計画だ。

どんなことにも完璧なんてことはありえない。障壁があってなんぼだ。自分だけで分からない時には他の人に聞いてみることが一番だ。大学院の教授、学生、TAをしているゼミ、大学外の人等々に話を聞いてみた。彼らからの回答をまとめれば、「この計画の軸は何か」という点に集約されるように思える。全体を繋ぐストーリーは何か。これを改めて考える必要があると痛感した。

映像化と研究発表を別のものとして考えていたが、よくよく考えてみれば映像にもストーリーは必要なわけで。ストーリーの無い映像なんて見る価値のないものだ。「道」の話をすると多くの人が関心を持ってくれる。ということはトピックとして魅力のある内容であるはずだ。そんな内容をどのようにして伝えていくのかを高度な次元で考えていく必要がある。

これまでの調査で「点」は分かった。これからの作業は「点」を座標軸に置き、どのような「線」を引くのかに注力する必要がある。北海道の「道」計画は次なる段階に進む。

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